トヨタという会社の冷酷さだ。無論、顧客(お客)や国民の安全はもちろん、下請けをはじめ、派遣社員をはじめとする非正規雇用から不当な低価格、低給与を強要し、暴利を貪り、自社の儲けと規模のみを考えて邁進して来た。これがトヨタをはじめとする日本の企業、産業界のあり方だ。不景気という日本社会の衰退の中で、こういう下請けや非正規雇用への皺寄せがきつくなり、一方、トヨタ本社にいる役員や管理部門をはじめノンワーキングリッチが肥え太っりを続けた。内部保留を溜め込み、役員の給与はそのまま、株主への配当も優遇を続けた。
トヨタの非正規雇用や下請けに対する不当ないじめ・冷遇のほか、いままであった数々の不正・欠陥隠しは日本ではマスコミへの圧力もあり、また、竹中平蔵をはじめとする拝金主義的なものが蔓延っていたこともあってで、世間には広まらなかったが、米国社会では違ったようだ。こうした日本のやり方は通じなかったようである。
私の会社の場合、休暇を先延ばしにして欲しいと頼んだ場合、きちんと深く頭を下げてくれた。こういう企業がどれほどあるのであろうか。トヨタのような大企業の場合、下請けや非正規雇用者にこのような冷遇を続けなければ倒産するほどの逼迫した財政的な危機があるわけではなく、当然下請けや非正規雇用者にこういう冷遇を続けてきたこと、続けていることに対して頭を下げたり、謝ったりしたわけではない。だ大企業や経団連の連中は「労働需要の調整のために、劣悪で低待遇の労働条件の非正規雇用があって当然だ」だという身勝手を当たり前のこととしている。そこには下請けの末端労働者、非正規雇用の労働者が一人の人格や感情をもつ人間としてはみられてはいない。
日本社会は元から低所得者や末端労働者や在日コリアン、外国人、アイヌのようなマイノリティ・弱者に対して冷たかった。この不況のせいか、こういう冷たい流れが一気に加速した感じがする。
また、外国人地方参政権を与えれば、対馬や沖縄のような離党や人口過疎地が外国人に占領統治され安全保障に関わるという右翼勢力や(保守・右派)政治家の外国人・マイノリティ敵愾妄想の根源も、そういう大企業や経済界が労働者をみる人間ではなく命のない"無機物"としてみる非人間的冷酷さ、労働者や庶民が感情や人格を持った人間であることを忘れた拝金主義の横行がある。
戦後の日本政府、企業・経済界を含む日本社会や日本国民一人ひとりが大日本帝国の過去の加害歴史の清算を避け続けてきたことにその根源があると私は思う。
今の日本に必要なのは、やっぱり過去の侵略及び戦争加害の歴史に正面から向き合い、被害者や犠牲者の痛みに思いを馳せること。そして、幾多もの名誉と尊厳を踏みにじられ、身体および心に傷を負った被害者や犠牲者の苦痛や叫びに耳を傾け、心を痛める正常な人間的な感性を日本人一人ひとりが養うことです。このことがこれらの問題を解決し、未来へ歩む一歩であって、過去の大日本帝国・日本軍の加害歴史の清算をなしに前進はありえません。
(追記)
日本国民だけではなしえないなら、在日外国人参政権を実現し、外国人の方の力を借りて、日本国家や日本社会を覆う冷徹で非寛容で、かつ排他的・排外的なバリアを打ち破り、過去の歴史清算を実現し、一人の人間を尊重し、包容する暖かい社会に向けて歩むきかっけにして良いとも考えます。
在日外国人参政権(在日外国人の社会参加および協力)→日本の過去の侵略歴史の徹底清算という順序を変えてもいいし、むしろそうすべきかもしれません。